シャリシャリシャリシャリ….シャー

何の音か分かりますか?

そう!あの懐かしい音、乾式クラッチの音です

 

私、昔NSR-250R-SEと言うバイクを3台乗り継いで来た経緯があるんです。そのNSRに装着されていたのが乾式クラッチ!

昔、レーサーレプリカブームの時はこの音が峠は勿論、街中でもちょくちょく鳴っていました。

あの独特の音で存在感ハンパない乾式クラッチですが、実際に効果のほどはどうなんでしょう?

「バイクに乾式クラッチって意味あるんかな?」

正直な話、私はそう思っていました。

 

ここは一度、乾式クラッチの本当の意味や、装着してみてのメリットを私なりに調べてみて、ご紹介していきますね。

スポンサーリンク


乾式クラッチを知る!

乾式クラッチを知るには予備知識として、まずは乾式クラッチと湿式クラッチそれぞれの簡単なメリット、デメリットをお伝えしますね。

 

乾式クラッチ

乾式クラッチはその名の通り、オイルに浸っていない状態のクラッチの事です。

オイルに浸っていないので以下の事がメリットとして挙がります。

 

1 クラッチプレートが油に浸っていないので滑りがない(摩擦係数が高い)

これが一番大きなメリットと言えるかもしれません。
乾式はオイルレスなので動力のロス(プレート同士の滑り)がありません。

 

2 繋がりがスムーズ

湿式クラッチと違い、オイルに浸っていないのでクラッチが繋がる時は(スパッ!)と繋がったり、クラッチを切る時も(スパッ!)と切れると言われています。

 

3 放熱効果が大きい

オイルに浸っていないので常に大気に晒されています。これは空冷エンジンみたいな感じになるので、放熱効果が期待出来て、湿式より機能が安定します。

 

 

続いては乾式クラッチのデメリットについてご紹介しますね。

1 発進時の半クラが苦手

湿式クラッチは常にオイルに浸っているので半クラ(クラッチミート)をする時、エンジンオイルの被膜が衝撃材の役目を果たしてくれるので、多少ラフな半クラをしてもスムーズな発進が出来てしまいます。

これが乾式クラッチだと?

オイルに浸っていないので発進時の半クラをする時、ちょっとした「ガガガガ!」と言う乾式クラッチ特有のクラッチプレートが暴れる現象が起きるんです。

これは専門用語で言うとクラッチジャダーと言います。

発進時の長いクラッチミートが苦手なんです。

 

2 クラッチがオイルに浸っていないので(カラカラ)と音が賑やかです。クラッチを握った時のシャリシャリ音も賑やかですが . . .この音にプレミア感があると言う人もいます。(私がそうです)

が、うるさいのは確かです。なのでデメリットとしました。

 

 

ここまで乾式クラッチの大まかなメリット、デメリットを揚げました。

次は乾式クラッチを語るうえで外せない湿式クラッチのメリットもご紹介しますね。

湿式クラッチ

世間一般で多く普及しているのはこちらの湿式クラッチです。

これは、ギアと同じくエンジンオイルに浸っている状態のクラッチを言います。なのでクラッチを切った時でもクラッチプレートは常にエンジンオイル浸っています。

それのメリットは?
  • 常にオイルに浸っているので耐久性の向上
  • 半クラッチがしやすい
  • オイル内にあるので音が静か
などがあります。

 

ではデメリットは?
  • クラッチのハウジングがオイルに浸っているのでクラッチプレート同士の逃げが発生する事がある。
  • 乾式クラッチに比べてクラッチプレートの摩擦係数が低い。
  • クラッチケースが大きくなる
この様なデメリットが挙がります。

 

これらの話を踏まえた上で総合的にまとめると、湿式クラッチより乾式クラッチの方が摩擦係数が高く、優れたクラッチと言う事が分かります。

 

※そう言えば私が昔乗っていたNSRも発進時以外はスパッとクラッチが繋がった様な . . .(昔の記憶なので半分忘れかけています(・ω・)ノ)

 

そして乾式クラッチのメリット(動力の逃げが少ない)と言う事は、レースの世界が必然的に関係してきます。

お次はそのレースの世界での乾式クラッチについてお伝えしていきますね。

乾式クラッチはレースで使われる

湿式クラッチはオイルに常に浸っているので、雑なクラッチワークでも油の被膜がそれを吸収してくれます。

それは有り難い事なのですが . . .

高出力のバイクで高回転を回すとそれがデメリットとなってきます。

「それはどういう事?」

 

クラッチが徐々に滑り出す場合があるんです 。

「そんな事ってあるん?」

はい、あるんです。調べたらそう書いてありました . . .(素直な私です)

 

 

これを避けるためには、更にクラッチプレートの枚数を増やせば滑りを防ぐことが出来るのですが、レーシングマシンはエンジン始動のセルモーターは勿論、バイクを停車する時に使うスタンドさえもついていません。

これは徹底した軽量化の為。

 

そこまで軽量化にストイックなレーシングマシン。動力を強化する為にクラッチプレート枚数が増える様な事はあり得ません!

かと言って、ちょっとでもタイムを縮めたいので、このクラッチが滑るリスクは避けたいもの。

それらを考えると必然的に乾式クラッチになります。

 

乾式クラッチはプレート内にオイルが無く、滑る事が無いので、膨大な馬力もなんのその!

ピタァ~とクラッチプレート同士が密にへばり着いてエンジン動力をタイヤに伝えるんです。(表現が少し . . .)

 

乾式クラッチが苦手とする発進時のクラッチミートもレースの世界ではスタート以外使わないのでそれ程問題でもありません。

 

乾式クラッチはレースの世界では人気ものなんですね(@^^)/~~~

 

そこで私はふと思いました。(じゃ、耐久性は?

そうなんです。耐久性も重要な要素!早速見ていきましょう!(^^)!

 

乾式クラッチの耐久性

クラッチってエンジンからの動力をギアチェンジをする時に動力を切ったり繋げたりする役目を担っています。

なので繋がっている時はしっかり動力を伝えなくてはいけません。

 

それがレースにも通用する程のクラッチ。

これは言い換えれば摩擦係数が非常に高いと言う事になるんですね。性能的には申し分ないのですが、これって

摩擦係数が高い=寿命が短い。こうなるんですね。

 

ちょっと極端な話になりますが、レースの世界ではパーツの寿命の事はあまり考えていません。そのレースの間だけ持てばいいのです。

 
その証拠にかの有名なF-1マシンは、決勝でのエンジン寿命が350~400kmを基準に設計されています。(予選用エンジンの寿命は更に短くて80km . . .)これは言い換えればエンジン寿命をレース決勝に設定する事でエンジンの性能を最大限発揮するように設計されているんですね!恐ろしやF-1(・ω・)ノ
 

少し話はそれましたが、レースで使われるパーツは乾式クラッチも例外ではなく、寿命が短いです。

※私が乗ってきたNSRの難点にクラッチ版の寿命が短い。これに結構悩まされました。これはハッキリ体感します。

走行距離8,000kmも走ればクラッチが滑り出します

NSRは2ストロークエンジン。パワーバンド以外ではほんと緩やかな加速。で、パワーバンドで走るのが気持ちいいです。

そのパワーバンドがクラッチの寿命で滑って加速しないって残念です . . .

 

 

では、クラッチが滑るとどの様になるのか?私の経験をお伝えします!

クラッチが滑るとこんな状態に

クラッチが寿命になり、滑り出してくるとこの様になります。

それはエンジンの回転が挙がっているのに加速がしなくなります。

空ぶかし状態に近い状態になります。

 

でも、ちょっと嬉しい事に乾式クラッチって油に浸っていないのでクラッチカバーを(パカッ)と開けば簡単にこうかんできるんです。

乾式クラッチの交換は比較的簡単

NSRのクラッチはイケてる乾式クラッチ。でもそのメリットも耐久性が無い事でスポイルされていると思うのは私だけでしょうか?

 

でも、交換はいたって簡単なのがありがたいですね。

これが湿式だとオイルに浸っているので簡単にクラッチプレートの交換とはいきません。

それが乾式クラッチだと、クラッチカバーのボルトを外せば、簡単に中のクラッチプレートとそれに付随するスプリングが交換できます。

 

補足情報

ここからは補足情報として聞いてくださいね

乾式クラッチは絶大な馬力でも滑る事なく動力を伝えるシステム。なのでレースの世界では重宝されます。

 

じゃ、その反対に湿式クラッチはどうなんでしょう?

私の今乗っているGSX-R1000 k5を例に挙げてみますね。

 

湿式クラッチのGSX-R1000 K6はどうか?

湿式クラッチはハイパワー車だとクラッチが滑るとお伝えしてきましたが、実際はどうなのか?

結論から言いますと、滑る事はありませんし、仮に滑っていたとしても体感できない程です。

その証拠に私のR1000は今現在走行距離25,000kmでもまだクラッチが滑った記憶がありません。

このクラッチが高出力で滑るって事は相当凄い馬力でのお話なんですね。

 

高出力で言い忘れていました。エンジンブレーキの強烈なかかりを逃がすクラッチもあります。それがスリッパ―クラッチ。少しご紹介しますね。

スリッパ―クラッチ

スリッパ―クラッチとは、強烈なエンジンブレーキを和らげるシステムなんです。

これは少し前まではバックトルクリミッターとか呼ばれていました。

あまりに違う名前なので(違うシステム?)と思われる方が多いですが、同じ意味です。

 

エンジンって高回転で回せば回す程、アクセルをオフにした時や、減速時にギアを下げていくと、強烈なエンブレがかかります。するとリアタイアがホッピングしたり、バイクの挙動が不安定になったりします。

これは正直危なっかしいです。それを和らげるのがスリッパ―クラッチ

最近のスーパースポーツバイクではほぼ標準で装備されています。とってもありがたいシステムなんです。

 

※私のバイクにもこのスリッパ―クラッチが装着されています。でも効いているのかどうかあまり分かりません。

でも確かに減速時のエンブレで、リアタイアがホッピングしたりバイクが挙動不信な動きをする事はありません!(^^)!

 
 

 

次に乾式クラッチがよく装着されているバイクのご紹介です。

乾式クラッチはducati車に良く装着されている

そうなんです。

ducati車には全般的に乾式クラッチが装着されているマシンが多いんです。

これは湿式クラッチだとオイルの影響でどうしてもクラッチ内のプレート枚数が多くなります。

その大きくなるクラッチハウジングを嫌うため、小型軽量な乾式クラッチにしているんですね。

これだと、小型軽量で膨大な馬力にも対応できるクラッチハウジングが可能です。

 
 

 

それ以外にもこれは補足ですが、乾式クラッチ独特のあの音がいいと言う意見も多いです。

 

まとめ

今回、乾式クラッチに着いて色々と書かせてもらいました。

調べてみると、乾式クラッチは性能的にイイ物なんだな!(^^)!と言う事が分かりました。

そして、私も経験したのですが、乾式クラッチは寿命が短いです。

 

でも、それを覆す程のメリットがあるから今尚使われているバイクがあるんですね。

特にレースの世界では必需品です。小型で軽量、摩擦係数が高ければ膨大な動力も全て受け止めてくれます。

これはまさにレーシングマシンには必需品です。

 

あの乾式クラッチが鳴ると今も昔のあの頃を思い出します。

今回、乾式クラッチを装着してどうなのか?をお伝えしました。

参考になれば幸いです。