私、仕事が金属加工業です。

旋盤やボール盤、NC旋盤からマシニング。

色んな工作機械を使って金属を加工しています。

そこで!

 

いきなりですが、一昨日私、仕事で大きな失敗をしてしまいました。

なので今凄く凹んでいます . . .

 

どの様な失敗なのか分かり易く言いますと、3日かけて加工した製品の最後の加工【22.0のエンドミルで突き出し量150mmのマシニング加工】で切削条件が合わずに削り過ぎてしまい、失敗になってしまったんです( ;´Д`)

※製品画像をアップすると顧客に怒られるので控えめ画像です

 

これは失敗と言うより物理的に不可能に近い加工条件で起こった現象なのでどうする事も出来ないのですが . . .

 

この様な失敗をもうしたくはありません。

そこで、もう一度同じ製品を作り直したわけですが、その事【エンドミル突き出し量150mm】を私の様に切削条件で悩んでいるあなたにお伝えしようと思い、ここに書きますね。

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エンドミルの切削条件が合わず失敗

まず、どういった加工でどういった失敗をしたのか?

これが分からないと話がブレてしまいます。

それをしっかり把握してもらいたいので記事初めに
  • どういった加工
  • 加工工具の環境
  • 切削条件
それぞれをお伝えしますね。

 

エンドミルでこの様な加工(エンドミル突き出し量150mm)


写真を観てもらうと分かり易いのですが、エンドミルで金属をこの様に彫り込んでいきました。

この金属の底は端面から深さ150mm。

溝幅は22.0mm。

これをエンドミルで掘り込み加工していて失敗しました 。

 

どういった失敗か?

エンドミルで掘り込み加工をしていて、エンドミルがどんどんコレットからでてくるんです。

なので加工後、溝の深さを測ったら図面寸法より2mmも深いのです。

今まででこの様な現象は初めて。(何故?どうしたらこの様になるん?)

ほんとチンプンカンプンです . . .

 

今回私が加工した条件はこの様な条件です。

加工工具の環境

使っている工具の環境からお伝えしていきますね。

 

※加工物の素材

SUS403Q(ステンレス系の鉄)

 

※マシニングのテーパー

40番

 

※使ったコレット


アルブレヒト-焼きばめチャック(このチャックは焼き嵌めに近い能力を持つ特殊なチャックです。なので難削の掘り込み加工はこれでなければ難しいです)

 

※使ったエンドミル

ハイスエンドミル

直径22.0

工具突き出し量150.0mm(この突きだし量5Dが厄介です)

 

次に切削条件です。

エンドミルの切削条件

加工掘り込み

一回の掘り込みZ軸で9mm

プログラムデーターではX軸、Y軸は固定でZ軸だけを毎回掘り下げて加工しました。

 

回転速度

S320

 

送り速度

F40.0

 

 

以上、この様な条件でエンドミルで掘り込み加工をしました。

 

すると、記事最初にお伝えした、エンドミルがコレットから抜き出てくるんです。

エンドミルが抜き出てくる


これまでお伝えした条件で加工をすると?

なんと!エンドミルがどんどん突き出てくるじゃありませんか!

これがどう言った事を意味するかといいますと、ドンドン削り過ぎてしまうんです。(Z軸方向に)

突き出し量が極端に長いとこの様な現象が起こるんです!

 

正直たまりません。

 

同じ軌跡でZ軸を40mmエンドミルで彫り込むので一回にかける量を9mmにして、それを5回に分けて彫り込んでいくんです。

一回彫り込んではエンドミルを工具長測定してまた掘り込みをする。

その工具長測定する度にエンドミルが3mmも突き出ているんです!

これはえらいこっちゃ!です . . .

 

そこで私がした改善点をお伝えしますね。

切削条件を見直す

このままだと失敗してしまいます。

てか、失敗してしまいました . . .

 

そこで代替品を再度加工します。その時、再度切削条件を見直します。

私はこの順に切削条件を見直していきました。

 
  1. 回転と送りのオーバーライドを緩める
  2. Z軸の掘り込みを9mmから4mm、2mmと加工の負荷を減らす
  3. コレットチャックを別の物に換える
  4. エンドミルを新品に換える
  5. コレットチャックとエンドミルの接着面をシンナーで綺麗に洗浄する
この様な順で条件を変更しながら加工していきました。

これを一つづつ見直していったのですが、1~4を見直してもどうやってもエンドミルがニョキニョキ出てきます。

嫌になってきます . . .

 

そこで最後の砦とも言うべき、5の工具と工具の接地面を綺麗に洗浄してみました。(こんな事して解決できれば苦労せえへんわ . . .)

と思いながらも後、やれることはこれだけなので綺麗に洗浄して再度加工してみます。

すると . . .

 

エンドミルの切削条件が合って加工成功


成功しました!(^^)!

普通ならこの加工で1時間も掛からないのですが、3時間も掛かってしまいました。

でも、何とか再加工品が完成!(^^)!

やれやれです。

 

もし、もしですよ!

再加工品を失敗しようものなら大変な事になります。

(過去、何度かその様な事になり大変でした)

人は一度失敗すると、連続して失敗する場合があります。

何故なんでしょう?

気持ちが焦って細かい所が見れなくなってしまうんでしょうねきっと。

 

今回は何とか出来ました。

まとめ

失敗した品物の納品日が明日2017.9月29日(金曜)。

なので今日9月28日は深夜12時から加工しました。これには体に堪えます。

でも出来て良かった良かった!(^^)!

 

もう一度おさらいしますね。
  • エンドミルの突き出し量150mmは難しい
  • エンドミルを新品にしてもエンドミルがコレットから抜け出してくる
  • どれだけ切削条件を緩めても抜けてくる
  • 解決方法はしっかりコレットとエンドミルを洗浄して接地面にゴミを噛まさない事
今日は本当に顔が真っ青になりました。

どうやっても切削条件が合わなかったから。

でも出来ました!(^^)!

 

凄い重要な事なので、もう一度お伝えしますね。エンドミルとそれをチャッキングするコレットは必ずしっかり洗浄してください!

そうしなければコレットからエンドミルが抜き出てきます。

今回のこの条件が少しでもあなたの為になれば幸いです。

では、失礼します。

 

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